アパート 建設もストレスを感じさせない要因
迷ったら、とにかくいろいろ見て歩くような前向きさが必要ではないでしょうか。
ある団地でアンケート調査を行い、「建て替える場合、新しいマンションのどのような点に最も関心があるか」という質問をしたところ、圧倒的に関心の高かった項目が、耐震性や防犯などの「安全性」に関することと、建設会社や不動産会社など建替え事業に関わる「会社の信頼性」に関する項目でした。
かつては、マンションの耐震性や防犯の安全性などは、取り立てて意識することもない、住まいが備えているべき当然の条件だったのでしょう。
私たちの社会も、これまでは身近に犯罪の影を感じることなどまれであったし、名前の知れたディベロッパーやゼネコンが建てたり、売ったりするマンションに倒壊するほどの欠陥があるなど、だれも考える必要のないことでした。
「安全と水はただ」という時代は終わったのです。
先に述べたアンケートの結果は、どこかのマンションだけに当てはまる特別なものではなく、今、都会に住む者にとって共通する関心事を示した結果なのだと思います。
地震の危険が叫ばれ、都市型の犯罪が凶悪化する中で、今後マンションには都会のシェルターとしての役割が強く求められてくるはずです。
これからのマンション選びにとって、「安全」という条件ははずすことのできない重要な項目になるものと思います。
まずは、防犯上の安全性を第一に考えましょう。
アメリカには「ゲテッド・コミュニティ」といって、住宅街の周囲を高いフェンスで囲い、出入り口である門には常駐のガードマンがいるなど、24時間警備を行っている、いわば要塞のような安全を売り物にした住宅地があります。
訪問者がゲートにいるガードマンに、何番地のだれの家に行くと告げると、ガードマンは該当の家に電話をし、アポイントがあることが確認できると入れてくれるようになっています。
アメリカ映画やドラマで目にしたことのある方も多いと思います。
1980年代から急増し、現在ではアメリカ全土に2万ヶ所、約800万人が居住しているといわれています。
かつては、富裕層のための特別な居住形態であったのが、現在では大規模大衆化して1万戸を超える都市規模のものまで生まれているというのですから、まるで現代の城壁国家のようで、そのスケールには驚きます。
アメリカにおけるこの「ゲテッド・コミュニティ」が広がるきっかけは、やはり凶悪犯罪の急増であったといいます。
ひるがえって考えると、日本では、マンションが都会の中の「ゲテッド・コミュニティ」としてすでに定着しつつあるのではないでしょうか。
犯罪から家族や財産を守ろうとした時に、現代の都市要塞としてマンションを選択する層はこれからますます増えてくることだろうと思います。
最近の超高層マンションでは敷地→建物→住戸と3重のセキュリティを、監視カメラや防犯センサー、TVモニター付インターコムなどの最新の機器で行うことは当たり前になりました。
より安全性を得るために、先にも述べましたが、防犯モデルマンションに登録されている物件を選ぶのもひとつの方法でしょう。
防犯モデルマンションとして認定される条件項目を参考までに表にして挙げてみました。
これをもとに候補に挙げているマンションの防犯対策をチェックしてみるのもいいでしょう。
ただ犯罪の防止という点では、どんなに大量の監視カメラや最新のセキュリティ・システムを導入しても、ハード面だけで安全性を確保することには限界があるというのが定説です。
ハード面での環境の整備と同時にコミュニティというソフト力の強化が不可欠なのです。
手近な例では、住民同士が互いに挨拶し合うことで、部外者の侵入に対する大きな抑止力になるという調査研究もあるそうです。
この意味でも、もし中古物件を探しているならマンションの選択にはあらゆる面で良好なコミュニティが維持されていることが、最優先の条件であるのかもしれません。
もうひとつの重要な安全性が耐震性に関わることです。
耐震強度偽装事件以来、マンションを供給するディベロッパーの側でも、安全性を積極的にアピールし始めています。
最近分譲されている多くのマンションでは住宅性能評価書というものを取得するようになりました。
この住宅性能評価とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づいて定められた住宅性能表示制度で、2002年にスタートしました。
国土交通大臣が指定した第三者の住宅性能評価機関にチェックを依頼し、住宅性能評価書を発行してもらい、住宅性能を客観的に評価する仕組みとなっています。
この住宅性能評価書には、竣工設計住宅性能評価書と、建物が竣工した段階で申請する建設住宅性能評価書の2種類があります。
住宅性能表示制度は建築確認とは異なる観点から設計図書が評価されるので、二重のチェックが期待できるといわれています。
いわばマンションとしての品質を第三者機関がチェックするというものですが、これまでは多くのディベロッパーが独自で品質管理を行っていること、評価書の取得に費用がかかることなどを理由に、この制度はあまり利用されていませんでした。
ところが、耐震強度偽装事件後、とくにゼネコンが設計と施工を一体で受注することが多い中で、内部的なチェックだけでは不安を抱えた購入者を納得させることが難しいということが認識され、ディベロッパー側でも住宅性能評価を積極的に取得する例が急速に増えている、ということです。
数値化できないものに目を購入者が工事中の現場を見学できることをアピールするディベロッパーも増えています。
ホームページやマンション契約者向けの会報誌に施工状況の写真を公開したり、独自のチェック機構をさらに強化して、その信頼性をカタログなどで強くアピールする会社もあります。
多少価格が高くても大手のディベロッパーが開発販売するマンションに人気が集中しているという話も聞かれます。
ブランド力に期待する心理が働いているのかもしれません。
そこには、安心や安全のためなら出費を惜しまない、安全や安心をマンション選びの基準にするという、購入者側の心理が反映しているようです。
これまでのマンション選びの中で重要視されてきた条件は、いわば金額や広さなど数値化比較することが割合容易なものでした。
ディベロッパー各社はパンフレットなどで、自社が手がけるマンション工事に対する性能表示やチェックシステム体制などをアピールしている。
ここで取り上げた「安全」や「安心」という条件は客観化したり、数値化することが難しい条件です。
そういう中で、第三者による評価や実績、ブランドといったものをもとに購入者自身がきちんと調べ、判断をした上でマンションを手に入れる時代になった、ということでしょう。
ここまでの内容をもとに、マンション選びの実践的な条件について話を進めたいと思います。
ここにあげた基本的な条件を参考に、それぞれの条件を検討し、優先順位を考えてください。
ところで、マンション選びといっても、「新築」を選ぶ場合と「中古」を選ぶ場合とで条件は違うだろう、という疑問があるかもしれません。
私はマンションの価値を決めるものは「立地」と「管理」の2つであると考えています。
これに付加するものとして価格や住戸計画、そして安全などの条件が挙げられるでしょう。
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